ポテチを異常に食べる人たち -ソフトドラッグ化する食品の真実-

「スナック菓子はドラッグです」という衝撃的な内容の本。

「やめたいけどやめられない」「摂取することによって幸福感、高揚感が得られる」のがドラッグの特徴であると言われれば、なるほどです。スナック菓子を食べる時に“おいしい”と思うより“幸せ”と思ったり、スナック菓子を常備している、それらを食べるために食事を抜くといった行為があれば、スナック菓子依存症かもしれません。

お酒、煙草、コーヒー、チョコレート、これらは習慣性(中毒性)が強い飲食物として知られていますが、甘み・塩気・うまみ・脂分・炭水化物という、本能的にヒトが欲するものが揃っている、スナック菓子も同類とのこと。では何故数ある食べ物の中でスナック菓子に限定されるのか?

甘みやうま味等(本では「うま味カルテット」と呼ばれています)はごく普通に素材となる食品に含まれていて、自然界でとれるものは未精製でどれもよく噛むことによってじんわり感じる仕組みになっています。対してスナック菓子の材料は小麦粉・砂糖・塩・油など、ほとんどが精製されて純度が高いもののため、口に入れた瞬間から脳がストレートに快楽を感じるのだそうです。

洋菓子でも同じ材料が使われていますが、ボリュームや価格を考えると、スナック菓子の方がはるかに安価で手に入りやすい、というのも一因。

甘いものとしょっぱいものを交互に食べるのを「あまから」と言うそうですが、この「あまから」好きも依存症予備軍なのだとか(私は醤油せんべいとチョコレートを交互に食べるの大好きなので、少々ショックを受けました)。

本文にはイライラするとポテチを流し込むように食べ、「脳内から“何か出た!”って感じになるんです。でも食べた後にはすごい罪悪感があって‥‥」という例が出てきます。私は常食はしていないし、一度に何袋もということはありませんが、1袋だったら充分あり得る話です。

でもこのストレスフルな社会において、何かに依存する息抜きは必要。“超”ソフトドラッグであれば、すっぱり断つより上手に付き合っていこう、というのが著者の幕内さんの意見。

「粗食のすすめ」を書いた人なのでさぞや健康的な生活をしているかと思いきや、ご本人が大の酒・たばこ好きなんですねー。

の画像